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コラム
 −歯にまつわる身近な話題から、コラムを掲載しています−
Colum No.4
Title:
「日本人の食性から「食」を考える」     Columnist:足立 優
 現在の世界人口は61億人、うち日本人は1億2千万人で、世界の約2%弱が日本に住んでいることになります。
 日本の国土は、人が住めない山間部を含めても世界の陸地面積の0.27%しかなく、人口密度がかなり高いことがわかります。しかし、1,650年頃は、世界人口5億人に対し、日本人が3千万人で、約6%もの比率を占めていたそうです。この数字は何を意味するのでしょうか?
 人間を「ヒト」という動物としてみた場合、「唾液アミラーゼ活性が高い」という特徴が挙げられます。
これは、「デンプンから栄養吸収を行う動物である」ことを意味しています。つまり、「穀物からの栄養摂取を主とする」ということです。1,650年頃、文明開化以前の世界で日本人の比率が高かった理由は、穀物の生産と「ヒト」という動物の生活に日本の風土が適していたということです。

 さて、さかのぼること2,000年以上、日本人は縄文時代から「日本」という風土に生き、この風土からの栄養摂取に適した体を作ってきました。つまり、「米」を主体とした日本食こそが日本人に適した食性であるということです。
 明治時代に、ドイツの栄養学者フォイトは、1日中人力車を引いて走る人力夫の食事が、米を主体とした質素な内容であることに大変おどろいたそうです。そこでフォイトは、人力夫の食事を「高たんぱく・高脂肪」のドイツ流に変えればもっと走れるのではないかと考え、その実験をした結果、人力夫は疲れやすくなった上に、体力が落ちてしまいました。
 これは、日本人の食性は、数千年にわたり築き上げられたもので、それを無視した食生活の変化は体が適応できないことを意味しているのです。

 また、口の健康に関しても面白いデータがあります。
 あごを動かす回数についてですが、ハンバーガーと日本食それぞれで同じカロリーを摂取しようとした場合、日本食ではハンバーガーの約2倍あごを動かさなければ食べ物をかみつぶせないそうです。あごを動かす回数は、あご全体の成長に大きく関与しており、最近の子供の歯並びの悪さも、あごを使わない食生活の影響と言われています。

「日本人」という種類の「ヒト」という動物であるならば、それに適した食生活を考える必要があります。
やはりそれは、「ハンバーガー」より「おにぎり」なのではないでしょうか?!
                                               2006年4月12日 歯科医師 足立 優

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